労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第6回目―
あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。
社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。
- 相談
年休を退職前にまとめて取ることはできますか? -
回答
当然ですが、従業員が退職すれば、持っている年休の権利は消滅します。
従って、退職予定の従業員から年休の申請があれば、会社は承認せざるを得ません。
その理由として、
退職する従業員から年休の申請がなされた場合には、変更すべき時季が残されていないので、会社は時季変更権を使うことができません。従って、退職予定者から年休取得の申請があった場合には、会社はそれを受け入れるしかありません。
行政解釈によれば
「年休の権利が労働基準法に基づくものであり、その労働者の解雇予定日を超えての時季変更権行使は行えない」とあります。この解釈は、自己都合退職の場合も同様です。