【あるある労働相談 第9回目】上司から「年休の申請は3日前までにすること」と言われました。申請期限の縛りがあるのでしょうか。

労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第9回目―

あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。

社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。

  相談
上司から「年休の申請は3日前までにすること」と言われました。申請期限の縛りがあるのでしょうか。

  回答
今回の質問は、「年休の申請は、何日前までにしなければならないか」という相談です。

年休の申請手続きについては、労働基準法に定めがありません。

結論としては、「年休の申請は3日前までとする」とし、それ以降の年休申請は一切認めないということについては、労働基準法第39条が使用者の時季変更権を設けている趣旨からすれば、「問題がある」と言えます。

というのは、会社にとっては、「事業の正常な運営を妨げる」客観的な事情があるか否かを判断できる最小限度の時間があれば足りると考えられます。

この場合、最小限度の時間がどれくらい必要であるか否かは、会社の事情によっても異なるので、一概に断定することは困難です。

一般的には、前日の所定終業時刻までに申出があれば会社として時季変更権の行使をするか否かの決定には足りる場合が多いのではないかと考えられます。

働くの最新記事8件