労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第12回目―
あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。
社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。
- 相談
コロナ禍の影響で会社が倒産し、給与が払われません。このまま給料は支払われないのでしょうか? 回答
会社が倒産し、給与が支払われなかった場合、従業員はとても困ります。そこで、国の制度として、「未払賃金の立替払制度」があります。
この制度は、企業が「倒産」したために、賃金が支払われないまま退職した従業員に対して、その未払賃金について、国(労働者健康安全機構)が事業主に代わって支払う制度です。「立替払を受けることができる人」は、次に掲げる要件に該当する人です。
(1)労災保険の適用事業場で1年以上にわたって事業活動を行ってきた企業に「従業員」として雇用されてきて、企業の倒産に伴い退職し、「未払賃金」が残っている人であること。
・立替払される金額は、未払賃金総額の8割の額です。
・退職日の年齢による限度額があります。
・定期賃金、退職手当が対象です。(2)退職後6か月以内に裁判所への破産手続き開始等の申立て、
又は労働基準監督署長への認定申請がされなかった場合は、立替払の対象とはなりません。