【あるある労働相談 第13回目】[コロナ禍]給与が減りました。納得がいかないのですが。

労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第13回目―

あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。

社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。

  相談
コロナ禍による影響で給与が減りました。納得がいかないのですが。

  回答

従業員と会社は雇用契約を結び、その雇用契約に基づいて働いております。給与額についても、雇用契約で定められた条件の1つです。
雇用契約は、会社と従業員の双方の合意による法的な約束事なので、たとえ経営が厳しくなっても、会社の判断で、一方的に従業員の給与を減額することはできないというのが大原則です。

その大原則のもと、次の通り例外的に従業員の給与の減額が許される場合もあります。


(1)合意による労働条件の変更
会社と従業員の間で合意が成立した場合です。雇用契約は、会社と従業員の間の約束事ですから、お互いに納得の上、契約内容を変更すれば、それが新たな雇用契約の内容になります。すなわち、給与を減額した雇用契約書がお互いの間で再締結されれば、給与の減額は可能ということです。

(2)就業規則による労働条件の変更
①従業員の受ける不利益の程度
②労働条件の変更の必要性
③会社が従業員に説明を尽くした
等々により、就業規則の変更に合理性がある場合は、就業規則の変更によって間接的に給与を引き下げることが、従業員本人の同意無しに可能になります。

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