【あるある労働相談 第7回目】退職することになりました。会社に未消化の年休を買い取ってもらえますか?

労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第7回目―

あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。

社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。

  相談
退職することになりました。会社に未消化の年休を買い取ってもらえますか?

  回答
年次有給休暇、いわいる年休の趣旨は、働く従業員の心身の疲労の回復を図るためです。

年休を取らない従業員に対して金銭を与えても、年休を与えたことにはならないし、法律の趣旨にも反することになります。

従って、年休の事前の買い上げは、違法とされています。

しかし、次のような場合には違法性はないとされています。

①退職により、権利が消滅する年休

②2年の時効により、消滅した年休

①②とも、消滅原因が働く従業員が権利を行使しなかったことによるので、会社はこのことに対して配慮義務はありません。当然ですが、①②とも年休を会社が買い取ることは、任意です。

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