【あるある労働相談 第8回目】会社を辞めたいと考えています。出すのは「退職届」か「退職願い」のどちらでしょうか。

労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第8回目―

あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。

社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。

  相談
会社を辞めたいと考えています。出すのは「退職届」か「退職願い」のどちらでしょうか。

  回答
会社を辞める際に出す「退職届」と「退職願い」は、実務上、区別しないで用いられておりますが、まったく異なるものです。一般的には、トラブルを防止のため、会社の就業規則等に「退職届」を提出するのか、「退職願い」を提出するのか、規定されております。

「退職届」は、「●年●月●日をもって退職致します」と記載し、従業員から会社に対しての一方的な意思表示となります。 

他方「退職願い」は、「●年●月●日をもって退職いたしたく、ご承認をお願い致します」と記載し、従業員から会社に対しての合意解約の申し入れになります。

どちらを使用するかは、会社の就業規則等によります。

また、会社によっては就業規則等に「会社所定の様式で作成した退職届(退職願い)を提出しなければならない」と規定されていることを根拠に、任意の様式で作成した退職届(退職願い)を拒否する事例が見られます。

結論から言うと、就業規則等に「退職する際は、会社所定の様式で作成した退職届(退職願い)を提出しなければならない」などと規定されていたとしても、そのような規定は無視して、任意の様式で作成した退職届(退職願い)を提出すれば法律上問題なく退職することができます。

なぜなら、従業員には法律で「退職の自由」が保障されているからです。

働くの最新記事8件