【あるある労働相談 第4回目】上司の残業命令を拒否したいのですが、断ったら解雇されてしまうのでしょうか?

労働問題は社会保険労務士に聞いてみよう―あるある労働相談 第4回目―

あるある労働相談では、労働問題のスペシャリストである社労士が、働くうえで出てくる様々な問題・疑問にお答えします。今回は特定社会保険労務士の資格を持つマイケル岡田先生に聞いてみました。

社会保険労務士(以下、社労士)は労務、労働保険、社会保険に関するスペシャリストです。社労士と聞くと、どうしても”企業の味方”というイメージをお持ちの方も少なくないと思いますが、各種労働問題(サービス残業、残業代未払、有給問題、セクハラ、パワハラ、嫌がらせ、名ばかり管理職、有期労働契約の雇い止め、派遣切り等)に対する相談を行っており、働く側(個人)にとっても心強い味方です。

  相談
上司からの残業命令を拒否したいのですが
、断ったら解雇されてしまうのでしょうか?

  回答
従業員が上司の残業命令、いわゆる時間外労働命令を拒否し、自己の都合を優先させた場合にどうなるかが問題です。

会社の就業規則に、時間外労働命令の規定があり、※36協定が締結されていれば、従業員は、原則としてこれに応じる義務があります。

従業員から、時間外労働に応じられない旨の申出があった場合には、その時間外労働を必要とする使用者側の事由と、従業員の応じられない理由を比較して判断することになります。
会社側に業務上重大な必要性があり、従業員側にさしたる理由もない場合には、従業員の時間外労働の拒否は義務違反となります。

一方、従業員側に、「育児」や「介護」といった特段の事由が存在し、上司の残業命令に重大な必要性がない場合には時間外命令を拒否できるものと思われます。

※36(サブロク)協定
厚生労働省―36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf

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