香りを楽しむだけじゃない?健康や美容に多くの効能をもたらすアロマテラピーとは

 アロマテラピーとは

アロマテラピーとは、aroma(芳香)とtherapy(療法)の造語で、ハーブ(芳香植物)等の自然植物が生み出す芳香成分を利用して、精神や肉体を健康にする『芳香自然療法』です。
健康や美容にも多くの効能をもたらしますが、最近では医学的見地から薬理効果の検証が進み、認知症の予防改善に効用があることが立証され、代替医療として脚光を浴びて来ました。
ハーブのもつ薬効が凝縮されて作られる物質が精油(エッセンシャルオイル)で、各植物により特有の香り効能をもち、アロマテラピーの基本となるものです。
※ハーブ(芳香植物)は約 3,500 種類で、その中で精油の取れる植物は約 200 種類

(1)アロマの芳香成分(精油・エッシャルオイル)

芳香成分(精油)は、植物の花、葉、樹木、樹脂は水蒸気蒸留法で、果皮は圧搾法で抽出した100%の天然素材で、揮発性が高く、水には溶けず、アルコールやオイルなどに溶けます。

フローラル系ラヴェンダー、ローズ、ジャスミン、ローマンカモミール等
ハーブ系ペパーミント、ローズマリー、レモングラス、マージョラム等
柑橘系オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット等
樹木系シダーウッド、ティートリー、ユーカリ、ローズウッド、プチグレン等
樹脂系フランキンセンス、ミルラ、ベンゾイン等
オリエンタル系イランイラン、サンダルウッド、パチュリー等
スパイス系コリアンダー、シナモン、ローレル(月桂樹)等
※1トンのラヴェンダーからは約 3 リットル、50 本のバラの花からは、ローズの精油 1 滴しか取れません。

(2)アロマ(芳香成分)の作用

(1)心の調整作用(メンタルケア)

  • リラックス効果、ストレス解消、鎮静作用、安眠作用、情緒安定作用 →ラヴェンダー
  • リフレッシュ効果、集中力・記憶力UP、元気を取り戻す作用 →レモンローズマリー

(2)身体の調整作用(ボディーケア)

  • ホルモンのバランスを調整し、血行を促し、リンパの流れを良くする作用→ラヴェンダー
  • 頭痛、偏頭痛、歯痛、筋肉痛、腰痛を和らげる作用 →ペパーミント
  • 風邪の初期症状を抑え、花粉症を抑制する作用 →ユーカリ
  • 消化・食欲増進作用、便秘を改善する作用 →ローズマリー
  • 冷え性、むくみを改善する作用 →レモン

(3)「認知症」の予防改善作用
朝(起床時):ローズマリーレモンのブレンド
夜(就寝前):ラヴェンダースイートオレンジのブレンド

(4)消臭効果、殺菌作用、抗菌作用、殺虫作用
ユーカリティートリーレモン

(3)芳香成分が心身に働きける経路(3経路)

  1. 鼻から脳の中枢である大脳辺縁系(海馬、偏桃体)、大脳皮質(視床下部)へ届く。
  2. 鼻を経由して肺に届き、そこから全身に香りの成分が運ばれていく。
  3. 皮膚を通して毛細血管に吸収されて体液の流れにのり器官や組織に拡散される。

(4)アロマテラピー(芳香療法)の方法

(1)芳香浴
芳香器具等を使い空気中に精油を拡散させ、鼻から芳香成分を取り入れる方法

  1. ディフューザー(芳香拡散器)電動エアポンプで精油の香りを空気中に拡散させる。
  2. オイルウオーマー器具に水を入れ「ローソクの炎」で精油を温めて香りを拡散させる。
  3. アロマライト 器具に水を入れ「電球の熱」で精油を温めて香りを拡散させる。
  4. アロマキャンドル精油で香りをつけた「キャンドルの香り」を嗅ぎ、炎の視覚も味わう。
  5. アロマストーン 陶器のストーンに精油を1~2滴落とし、香りを嗅ぐ。
  6. マグカップ マグカップに熱湯を入れ、精油を1~2 滴落とし香りを嗅ぐ。
  7. ハンカチ、ティッシュペーパー1~2滴精油を落とし、香りを嗅ぐ。

(2)沐浴 (アロマバス)
浴槽に精油 4~5 滴を落とし、よくかき混ぜ「鼻と皮膚」から芳香成分を取り組む
【全身浴】
 ◆リラックスしたい38 度のぬるめのお湯で 30 分位つかる。心臓への負担を軽減
 ◆リフレッシュしたい40 度の熱めのお湯で肩までつかり、早目に上がる。
【 半身浴】38度のぬるめのお湯にみぞおちの下くらいまで 30 分位つかる。新陳代謝UP
【足浴 】洗面器に精油 1~2 滴落とし 10 分程度つかる。血行促進、冷え性に効果

(3)マッサージ
マッサージにより筋肉の緊張がほぐされ、分子構造が小さい精油が毛細血管に浸透し、全身にさまざまな薬効をもたらします
また、マッサージを行いながら精油の香りを嗅ぐことで、リラックス効果も得られます。
※マッサージは必ず植物オイルで希釈する。(植物オイル 30ml に精油 6 滴程度)
◆ハンドマッサージ
精油が手や腕の皮膚から毛細血管に入り全身にさまざまな薬効をもたらします。
好きな香りの精油を選び、ご自身で簡単にマッサージができます。

(4)湿布
タオルに精油を1~2 滴落とし、患部に湿布する。(症状により温湿布、冷湿布する)
◆腰痛、肩こり、頭痛、ストレス解消に効果(目の疲れは冷湿布で)

◎出典:「はじめてのアロマテラピー」(池田書店/著者:佐々木薫)